海洋散骨の概要・手順
墓が遠方で大変、遠い親戚の墓守をしなければらならず負担を感じている、お寺の行事が負担などの理由で墓じまいを考えている方や、海が好きでご自身の遺骨を散骨されたい方、次世代の負担を減らしたい方等、核家族化の進行によりお墓に関する概念が変わってきています。 ここでは、近年増加している 海洋散骨の概要・手順 などを掲載しています。
最近、海洋散骨という言葉を聞くけど、どのような散骨方法なのかな。
海洋散骨は、最近話題の「お墓を作らない」散骨ですよね。 ここでは 海洋散骨の概要・手順 や方法を紹介していきます。
海洋散骨とは
海洋散骨とは、「祭司の目的を持って、火葬したあとの焼骨や、墓じまいでお墓から取り出した遺骨を海洋上に散布すること」です。 散骨というと、法律的に違法であったり、グレーゾーンではないかと思われる方が多いのですが、散骨自体は過去も現在も、違法ではなくグレーゾーンでもありません。
令和3年3月31日に厚生労働省より「散骨事業者向けのガイドライン」が発表されています。 ガイドラインを守っての施行は、政府公認の供養となっています。
厚生労働省参考資料 墓地・埋葬等のページ ガイドライン
海洋散骨を検討・選ばれる方
海洋散骨を選択する場合に、次のような理由で選ばれています。
- 生前、海がともて好きだった
- お墓がなく、作らなければならない
- 遠方にお墓があるなど、定期的な墓参りが大変
- 家族でよく行った海に思い出がある
- 墓守をする人がいない
- 夫や妻、子や孫に負担をかけたくない
- 長い間、遺骨が手元にある
海洋散骨を希望する方が増えている理由
いろいろな理由で希望されることがあるんだね。
はい。 故人自身の希望や、遺族の希望など様々な理由で海洋散骨を行うことが増えてきています。 その背景には次のような理由があります。
墓じまいの増加
現在、墓じまいを希望される方が急速に増加していて、墓離れが進んでいます。 その理由としては、「墓の所在地が遠方で墓守が負担」「お寺の行事が負担」などがあります。 墓じまいを行うときに、墓から取り出した遺骨の次の供養方法として海洋散骨が選ばれることが増えてきています。
納骨受入制限
最近、遺骨の受入制限を行うお寺が出現してきました。 そのことにより、納めることが出来なくなった遺骨の供養方法として海洋散骨を希望する方が増えてきています。
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海洋散骨の概要と歴史
概要/ 海洋散骨の概要・手順
海洋散骨の概要・手順 について紹介します。 これまで先祖や亡くなった人の供養や弔いというものは、お墓に埋葬するというのがごく一般的でした。 それを代々受け継ぎ、また分家といった形で広がった家は新たにお墓を建ててきたものです。
しかし、2000年代に入った頃から、お墓や供養、または弔いの形が大きく変化し始め、その形も様々なものが登場するようになりました。
その一つとして注目され始めたものに「散骨」があります。
散骨では骨を海などに撒いてしまうため、お墓を建てる必要がありません。 そもそもお墓がありませんから、これを管理する必要もなくなるのです。
先祖の同じお墓に入るという供養の方法や自分の後にお墓の管理をする人がいないなど、これまでの方法に違和感を感じていた人たちが、この方法を選ぶようになり始めています。
しかし、実際に散骨を選んだ人は全体の1%に満たないと言われています。 これには法整備が追いついていないという事情もあり、少数の人が行う方法であるという区分の域を出ません。
散骨は自然葬と捉えられています。 亡くなった後の自らの肉体と精神を含めた命が大自然に戻ることで、循環するという生死観からくる考え方だとされています。
歴史
日本人は古い時代から、この世のあらゆる自然物や自然現象に対して、信仰を持ってきたという特徴があります。 日本人の神の対象は様々で、山や石もその対象となっていました。 このことに由来し、現代を生きる日本人にも亡くなった人が自然に還るという捉え方が拒否されることはありませんでした。
現在の日本は、火葬率99.99%と言われており、この数字は世界を見渡しても驚異的な実施です。 しかし、これが日常的となったのは最近とも言え、おおよそ100年前、1900年の火葬率はわずか29.2%でした。 1945年に第二次世界大戦が終わり、その5年後、高度経済成長がすでに始まっていた1950年でも54.0%程度と、全体の半分程度の火葬率でした。
しかし、平成に入って人々の暮らしが多様化し始めるに従うように、自然葬が注目を浴び始めます。
背景には、少子高齢化が挙げられ、地方から都市への人口移動と核家族化もあると考えられています。 また親戚付き合いが少なくなったことから、墓じまいを検討する人が増え始め、お墓自体の数も少なくなり始めています。
樹木葬という、石を拝するのではなく、樹木に葬るという方法もこの頃から広がり始めました。 そして、同じようにこの頃から海洋散骨も注目され始めたのです。
散骨方法/ 海洋散骨の概要・手順
散骨は、文字の通り骨を散らして(実際には撒いて)行います。 しかし、火葬された人の骨をそのまま撒くことは死体等遺棄罪というに問われることもあります。
このため、粉骨と言って散骨をする骨はまずパウダー状にする必要があります。 粉骨の作業は自分で行うことも可能ですが、粉骨をしてくれる業者もいますから、その時々に相談すると良いでしょう。
原則的に海洋散骨を行うために、何か申請をしたり、役所や指定団体から許可が必要であるということはありません。 しかし、人骨ですから、思いつくまま海に撒いていいというわけではありません。 埋葬許可証や改葬許可証という書類が必要になる場合があります。
これは散骨を行う業者によって定められている規定がありますから、それに従うようにしましょう。
散骨当日の服装は基本的には平服を勧めている業者が多いようです。
海はどちらかというと弔いの場所というより、レジャーの場所であることが多く、海水浴などを楽しんでいる人も多くいます。 また漁業関係者も多くいますから、そう言った人たちへの配慮を忘れないようにする必要があります。
沖合の散骨スポットに到着すると、業者が指示をくれますから、遺骨を海に撒きます。 故人が好きだったお花を撒いたり、お酒が好きだった人は酒を一緒に撒いても良いとされています。 また希望する場合に聖職者の立ち会いも可能ですから、それぞれの宗教の形で弔うことが可能です。
海洋散骨の費用
散骨に掛かる費用は、方法によって違い、おおよそではありますが、委託散骨で3万から10万、合同散骨で10万円から20万円、個別散骨で20万円から30万円と言われています。 一般的なお葬式やお墓を建てる金額よりは低く設定されていると考えられます。
委托散骨とは、家族が散骨に立ち会うことなく、散骨を業者に任せることで、合同散骨とは、複数の家蔵で船を共有し散骨を行うことを言います。
また個別散骨とは、船1艘をひと家族専用として用意し、貸し切る形で散骨を行う方法を言います。
コロナ禍を始め、不安定な情勢が続く中、病気などであらかじめ予後の見通しが立てられて最期を迎えられる人ばかりではなくなってきました。
また加速する核家族化や少子高齢化で、自分が死んだ後のことを日常的に知っているという人は少なくなってきています。
縁起が悪い、今わざわざする話ではないと、避けがちな話題ですが、家族のほかに、自分の身に何か起きた時に頼れる人などに、亡き後のことを話し合ってみるのも良いのかもしれません。
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