国際NGO団体「セーフ・ザ・チルドレン」の子どもの幸福度調査(2013)による上位10カ国は以下のとおり。
1.オランダ
2.ノルウェー
3.アイスランド
4.フィンランド
5.スウェーデン
6.ドイツ
7.ルクセンブルク
8.スイス
9.ベルギー
10.アイルランド
見てのとおり全て欧州である。
理由としては「母親の健康状態や教育、経済的・政治的機会を与えられているかどうかが、子ども達の命と生活の質に関わる」らしい。
オランダはワークシェアリングが浸透している。
当時のオランダの男性約27%が労働時間週36時間以下だ。
週5日出金するとしても一日7時間強で仕事を切り上げ、帰宅し家事・育児に専念している。
また、社会的にもパートタイムでの管理職が20%を超えていてEU水準を大きく超えている。
自分の職場のことを考えてもらえると分かりやすいが、上席の20%がパートなのである。
日本の感覚ではありえない社会だ。
そうした社会が形成できるには2つの事情があった。
1つ目は「リモートワーク」、2つ目は最近日本でもよく聞く「同一労働、同一賃金」だ。
「リモートワーク」については、会社のネットワークに自宅からアクセスできるよう環境を整えている会社の割合が多いこと、官庁が率先して自宅からネットワークへアクセスすると実労働とみなし、報酬か休暇日数に反映される仕組みを採用している。
「同一労働、同一賃金」についてオランダでは、1980年代以降のサービス残業における労働需要の増加により、パートタイムとフルタイムの均等待遇、労働者が労働時間の増減を雇い主に申請できる法律が成立し、パートの労働条件が改善された。
こうした仕組みは日本にはなく、また労働者側の判断についても正社員が圧倒的中心を占める労働組合とは大きく異なる。
ちなみに当時の日本の非正規雇用の正社員との賃金格差は正社員100に対し非正規雇用は60以下である。
フルタイムであろうがパートであろうが、同質の仕事をしているならキャリアも同質であるべき、との考えが浸透しており、「雇用形態」や「労働時間」を重視する日本とは風潮が違っている。
たしかに、高度経済成長を支えたのはそうした日本の風潮である。しかし少子高齢化が進み、少ない子ども達の幸福度も低いのが現状だ。
両親とも仕事に追われふれ合う時間がない、また子育てにより職を失う親をみている子どもが成長してから新しい家族を積極的に作っていけるのだろうか。
日本の風潮を変える時が来ているのではないか。
桜を見る会も大事だがこうした事にも時間を使ってもらいたいものですね。
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